ご存じの方もいるかも知れないが、日本郵便株式会社が青少年ペンフレンドクラブというものを運営している
コロナ禍、仕事ばかりしていて、人生が楽しくなかった絶頂期に、私はペンフレンドクラブに入った
LetterParkという無料の会報が郵便局の窓口においてあって、それをパラパラと読んでみたのだ
血迷ったのかもしれないし、賢明な判断だったのかもしれない
海外旅行に行けない分、少しでも海外に触れたかったのだ
申し込むとすんなり会員にしてもらえ、海外ペンパルを毎月二人ほど紹介してもらえるようになった
海外ペンパルの募集は、毎月の会報の中から自分で選び、申込書に記入、自分宛ての返信用封筒を添えて事務局に送る
返信用封筒にその方たちの住所が書かれた書類が入って戻ってくる
英文で住所と名前と性別と年齢と簡単な自己紹介しか知らない外国人に手紙を書く
返事が来たり来なかったり、理由不明で郵便がそのまま戻ってきたり
今更思い出すのだ、手紙を書くことは中学生のときにはもう苦手科目であったと
英文、文通、書き方、などを検索し必死こいてネタを絞り出す
頑張っても、知らない相手に対して便箋1枚しか手紙が書けない
自己紹介がまず苦手なのである、更には英語で書かなければならない
文通の動機が薄いことも原因しているのかもしれない
それに対し、2枚も3枚も返事が来る
外国人の書く英語、あの独特なブロック体と筆記体の間の英語
大きな文字で書いて枚数を稼げばよいのだと何人かの欧州チックなペンパルたちから見て学ぶ
情報量にしてみれば、私の1枚と外国人の2,3枚は同じくらいではないか
そして、なぜだか明確にはわからないが、便箋と同じ大きさのカレンダーの切れ端が入っていることがある
防水、にはならないが、透けて見えないように目隠し、くらいにはなるか
目隠ししなくてはならないほど薄い封筒に入っているわけでもないのに
忘れた頃に初期に送った人からとんでもない情報量の手紙が届く
英語力が中学1年生レベルな私は心が何度か折れた
そして私の手紙が非常につまらないのであろう、文通は続かないのであった
それから数ヶ月、私の文通が止まっている間、ペンフレンドクラブはオンライン化が進み、紹介は月に一人のみとなった
どうせ韓国語を勉強しているなら韓国人を紹介してもらおうと思い、懲りずに手紙を出す
相手が韓国人なので、独学で学んだ拙い韓国語を交え自己紹介
書くことといえば、名前と年齢、横浜出身ですということくらい
とりあえず文房具屋で買った可愛らしい絵葉書に大きな文字で自己紹介
そして私の趣味は野球観戦で、WBCでみたキム・グァンヒョン投手が素晴らしかった旨伝える
最後に、日本のことで知りたいことがあったら聞いてくださいね、と検索結果そのままの英語を添えて
昔から持っているサウスパークのシールを貼って、意味不明な状態にデコレーション
送る相手は40歳を過ぎている、送る私も40歳を過ぎている
大丈夫かな、まぁ、いいか、こういうのが文通が続かない要因かもなとのんきに構えつつ
送ったあとで、ある意味キム・グァンヒョンへのファンレターを関係のない韓国人に送り付けた体だと気づく
もう遅い、ミアネヨ
相手が寛大な韓国人であることを祈りつつ
返事が来たら何を書こうか今から考えておかないとネタがない私だが
意味不明なシールはたくさん持っている
大丈夫じゃないかなとのんきに構えていたら返事が来た
便箋2枚の手紙を翻訳アプリを駆使して解読するのに1時間、読みやすい字で書いてくれたことにカムサハムニダ
真面目そうで情緒的な印象がにじみ出ていた
果たして、この手紙に、この私が、うまいこと返事を書けるのか?
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